今回は、テクニカル分析の中で、最も有名な手法の一つ「移動平均線」について解説します。
移動平均線とは
移動平均線とは、複数日にわたる期間の平均値を線でつないだものです。この日数を平均することで、相場全体の流れをつかむことができます。
例えば、5日移動平均の場合は、そのローソク足からさかのぼって5個分のローソク値の平均値となります。これが20日の場合は、ローソクあり20個分の平均値です。
このように、移動平均線は複数のローソク足の情報を含めた情報になります。この日数が長ければ長いほど長期の情報を含み、短いほど短期的な情報をです。
移動平均線の分析例
移動平均線の分析例を紹介します。
支持線・抵抗線
ダウ理論や、チャートパターンでも紹介しています。支持線や抵抗線です。移動平均線を一つの支持線(抵抗線)として考える手法です。例えば、ローソク足が移動平均線を基準として反発したら買い(売り)注文を入れるように指標として使用します。一方、支持線を超えた場合は相場が反転したと考える判断基準の一つです。
複数の移動平均線を使用した手法
移動平均線には、複数の期間のものを組み合わせ重要な判断材料にすることも可能です。ゴールデンクロスとデッドクロスといいます。この二つは短期の移動平均線と長期の移動平均線を使用する手法です。この期間の決め方は種々ありますが1例として、短期25日、長期200日と大きく日にちを話すこともできます。それぞれの特徴についてみていきましょう。
ゴールデンクロス
ゴールデンクロスは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へクロスすることをいいます。長期的な値動きに対して短期的な値動きが上昇していることを示唆しており、買いの判断基準の一つです。
デッドクロス
デッドクロスはその逆となり、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下へクロスすることをいいます。売りの判断基準の一つです。
移動平均線の気を付ける点
移動平均線は、数個前からのローソク足の平均値を取っているため、どうしても値動きを後追いしています。そのため実際の価格の値動きよりも反応が遅いです。また、長期の移動平均線の期間を長くしすぎるとほぼ平らの直線になってしまいます。また、レンジ相場でも同じです。その場合は、ゴールデンクロスとデッドクロスの判断だけでは難しくなります。
移動平均線は最も使用されているテクニカル分析の一つです。一番使われているからこそ、奥が深く汎用性が高くなります。移動平均線の使い方をマスターし他のテクニカル分析と組み合わせてFXの勝率を高めていきましょう。